パセリと野の花

小学生の頃は、その時代の他の男児と同様に草野球などに時間の大半を訳も知らずに捧げていたけれど、その一方でやたらと絵がうまかった転校生の友人に憧れて下手なマンガをやたらと描いていた。今から思い出すと稚拙すぎて、「なにやってたんだか...」と、そんな時間の少しでも他のことにまわせばよかったと思う(当時の小学生のできることといっても、たいしたものはないけれど)。

実家の倉庫を探せば、その時のノートなんかが出てくるんだろうな。来年実家に戻る予定なので、今のうちに証拠隠滅しておかなくては。

その頃の毎日の夕食前のお楽しみといえば、「NHK少年ドラマシリーズ」だ。
未来からの挑戦」「夕ばえ作戦」「なぞの転校生」など、当時はまだまだ大御所ではなかった(はず)筒井康隆眉村卓光瀬龍らのSFファンタジーを子供にも分かりやすく映像化した連続ドラマに夢中になっていた。当時はCG技術も拙くて、人が消えたり、目が光ったりするシーンも笑えるレベルのものだったろうけど、子供心にひどくぞっとしたりし、夜眠れなくなるなんてこともあった。

さて、そのドラマのひとつ、「つぶやき岩の秘密」では、エンディングテーマ曲の『遠い海の記憶』。
ストリングスとハープで始まるこの曲は、モノクロの海のシーンと相まって、強烈な印象を今でも残しています。石川セリという名前はそれからすっと後になってから知ったけれど、物憂げな言葉とその繊細なメロディは何年経っても色あせることを知らない(石川セリさんのちょっと哀しげなイメージも相乗効果)。

いつか思い出すだろう 大人になったときに あのかがやく 青い海と 通り過ぎた 冷たい風を

この他に、『村の娘でいたかった』『鳥が逃げたわ』『八月の濡れた砂』もおすすめ。
『ふわふわ・WOW・WOW』は、ちょっとそれまでの石川セリさんに対する勝手なイメージを覆すようなかわいい感じの曲です。

ちなみに、ご存知の通り、井上陽水さんの奥さんでもあります。