Baby Blue (1982)
前のエントリーで、大江千里さんのことを書いたので、久しぶりに初期の作品を中心に聴き直してみた。あの頃の、いろいろなことが思い出されるのと同時に、かなりスイートな歌詞に思わず、「いやぁ、まいったね」と赤面してしまうことも。「POPEYE」や「HotDog PRESS」*1から飛び出してきたようなデビュー当初の印象だったのが、本当は結構硬派っぽいことが、その後の作品でわかってきた。*2
語弊がかなりあると思うけど、そんな王道を行くような "キャンディポップス" に対しては、以前から少しずつ免疫があったわけです。もはや普遍性にまで通じるくらいの大滝詠一さんの曲や、山下達郎さん、杉真理さんの曲が、たぶん抗原に相当するものだったけれど、もっとスイートな抗原としては伊藤銀次さんの『Baby Blue』〜『WINTER WONDERLAND』までの作品群でしょう。
Baby Blue / 伊藤銀次 (1982)
大滝・達郎・銀次トリオの『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』(1976)から、初のリーダー作「DEADLY DRIVE」(1977)を発表。でも、あまり納得のいくものではなかったらしく、「もう1回出せるんだったら、スタートラインからどんなものを作ろうっていうことを、はっきり定めて作っていきたい」と考えていたようです。60年代のモータウンやマージービートをサウンドコンセプトにして、わずか2年の間に怒濤のように作ったのが、『Baby Blue』『SUGAR BOY BLUES』『STARDUST SYMPHONY 65-83』『WINTER WONDERLAND』の4枚。すべてポップス全開の曲ぞろいで、ハズレがない。ただし、ハズレがないだけ、続けて聴くと緩慢になる可能性が...(笑)。大学生の頃は、よく友達の部屋でのコンパで飲みながら、聴いていた。
アルバムジャケットを描いたのも、横尾忠則→ 原田治→秋山育→日比野克彦と、当時ビックリハウサーだった自分の琴線をとても刺激したものです。
しかし、1stの「DEADLY DRIVE」からシングルカットされた同名のインストのB面は、 "Maserati Merak 88"というスーパーカーのエンジン音(エグゾーストノイズ)だけが延々と収録されているらしい。
いくらスーパーカーブームだからといって、これは...。
あんまりです。*3